今流行りのハイブリッドカーの魅力とは

近年、注目を集めている各種ハイブリッドカー。

その保有台数は、日本でも右肩上がりで増え続けています。

主な国産自動車メーカの販売台数を見ても、その多くをハイブリッドカーが占めていることがわかります。

▼2020年10月に販売された乗用車のうち、ハイブリッドカーが占める割合

トヨタ 37.6%
ニッサン 60%
ホンダ 53.5%
スズキ 48.1%

※日本自動車販売協会連合会調べ

国内トップシェアを誇るトヨタ。この37%という割合は一見少なく見えますが、あくまでこれはトヨタならトヨタ、ニッサンならニッサンの同一メーカー内でハイブリッドが占める割合のデータ。トヨタは全体の販売台数も相当多いため、輸入車も含めた国内でのハイブリッドカーの販売台数約8万台のうち、トヨタ車のハイブリッドカーは4万台以上も占めていることになるのです。

販売されたハイブリッドカーのうち、6割近くがトヨタ車であるという計算。トヨタの凄さに驚かされますが、このハイブリッドカーのジャンルは、国内外の各社が力を注ぐ分野であり、顧客ニーズも高まっていることがわかりますね。

ハイブリッド車の魅力とは

1997年、トヨタが量産車初のハイブリッド車「プリウス」を販売開始。それから20年以上が経った今、ハイブリッドカーは随分と身近な存在となりました。

ハイブリッド車とは?最大の特徴はその動力にあり

ハイブリッドカーは、ガソリンと電気の2種類を動力として持つ車のこと。2種の動力を持つことによりガソリンの消費が減るため、その燃費の良さと環境に配慮した仕様に大きな注目が集まっています。エコカーと言われるのもこのためです。

そしてその動力の使用方法によって大きく3つの種類に分類されます。

①シリーズ方式

エンジンを発電機として利用し、そこで発生した電力でモーターを駆動させて走行する方法です。

大容量バッテリーに発電した電気を蓄え、必要に応じてそのエネルギーを放出させる仕組みなので、走行時にはモーターのみが使用されます。それにより、まるで電気自動車であるかのような静かな走行が大きな特徴です。

日産のノート、セレナ(e-POWER)などに搭載されています。

②スプリット方式

走行状態に応じて、エンジン動力とモーター動力の使用割合を調整しながら走行する方法です。どちらか片方の動力のみでの走行も可能で、現在のハイブリッドカーの主流はスプリット方式と言われています。

車両代金は高くなるものの、そのランニングコストやパワー性能などが注目されています。

プリウス、アクアなど多くのトヨタ車に搭載されています。

③パラレル方式

加速時など大きな出力が必要な時に、エンジンパワーをモーターでアシストしながら走行する方法です。効率よい加速と、さらなる低燃費を叶えることができます。その構造のシンプルさと軽さによって、小型車にも搭載しやすいシステムです。

ホンダのフィット、スズキのソリオなどに搭載されています。

コスパがいい?メリットとデメリットを徹底比較

ハイブリッドカー最大のメリットは、やはり低燃費・ランニングコスト軽減です。

エコカー減税の対象になるのも嬉しい点。

燃費が国の基準を上回れば上回るほど、自動車税もしくは軽自動車税は約25%~最大75%、自動車重量税にいたっては25%~最大100%(免税)の減税となります。また、中古車市場でもかなりの人気。値崩れしにくいので、買い替えの際にも高価買取が期待できます。

これらの費用面でのメリットが大変大きいと言えるでしょう。また、そのエンジンシステムゆえに、走行時に大変静かで快適であることも注目点ですね。

一方で、従来車に比べて車両価格やメンテナンス費用がとても高いというデメリットもあります。一概に「コスパ良し!」と言い切れないという見解もあるのです。

車両価格の高さとガソリン代の安さから試算すると、エコカー減税などを加味しても、走行距離が10万キロを越えないと元が取れないという計算もあります。このあとの項目でも触れますが、バッテリー交換の際にかかる費用の高さ、あるいは複雑なシステムゆえの故障リスクや修理代の高さについても、充分に理解しておく必要がありそうです。

静かな走行のメリットの裏で、車が近づいていることに歩行者が気付けず、事故につながってしまうリスクも考えられます。

バッテリー、オイルの交換時期は?

ハイブリッドカーには、2つのバッテリーが搭載されています。

一般的な車にあるものと同じ、エンジンを始動させるための「補機用バッテリー」。
そして、ハイブリッドカーのみが持つ、モーターに電力を供給するための「モーターバッテリー」。

補機用バッテリーについては、通常のエンジン車のものと同じく3~5年での交換で問題ないと言われています。

一方、モーターバッテリーは、およそ8年、走行距離10万kmが寿命と言われています。一般的には、こちらも5年を目安に交換するのが良さそうです。

使い方によって寿命は変化しますが、最新型のハイブリッドカーは15万kmを越える走行にも耐えられるバッテリーも搭載されているそう。発売当初は短かったバッテリーの寿命も、かなり伸びてきていますね。

ただし、注意しておきたいのはその交換費用。

一般的に、エンジン車のバッテリー交換費用は、バッテリー本体と工賃含め4万円程度に収まります。しかしハイブリッドカーの場合、交換費用だけでも10万円~40万円。高いものだと70万円以上するものもあります。もちろん、車種や年式によって異なりますし、一定期間あるいは一定の走行距離であれば保障サービスの範囲内となり、無料で交換してくれることも多いです。

ちなみに、ハイブリッドカーはバッテリー上がりの際の「救護車」になることはできないので、要注意です。ガソリン車とハイブリッドカーでは電気系統が違うため、大きな電力が流れた際に故障してしまう可能性があります。救護車にはなれませんが、バッテリーが上がってしまった際に、他車からの救援を受けることは可能ですよ。

オイルについては、ハイブリッドカーと一般的なエンジン車に差はありません。
6ヶ月(5,000km)を目安に交換するのがオススメです。

要注意!中古車選びでチェックしたい項目3つ

ハイブリッドカーに限らず、多くの人が中古車を選ぶ際に

  • 走行距離
  • 年式
  • 修理歴、事故歴
  • タイヤや外装、内装の状態
  • 車検の残期間

など、様々な項目をチェックするはずです。

ハイブリッドカーにおける中古車選びで特に注意して見ていきたいのは、以下の3点です。

①年式…、というかモデル選び

ハイブリッドシステムは日進月歩。年式が新しければ新しいほど、よりよいシステムが採用されているのは明白でしょう。

エコカー減税の対象になっているかについても、しっかりチェックしたいところです。

バッテリーの状態

ハイブリッドカーの経済性は、バッテリーの状態に左右されると言っても過言ではありません。先述のとおり、ハイブリッドカーのバッテリー交換にかかる費用はかなり高いです。

年式、走行距離とも照らし合わせ、次のバッテリー交換時期をしっかりと把握しておく必要があります。

事故歴や修復歴があるかどうか

ハイブリッドカーの特徴として、エンジンに電装部品が多く使われているという点が挙げられます。衝撃に弱いというデメリットも重なり、修理代がかなり高額になってしまうのです。

事故直後には何も問題がなくても、時間差で不具合がおきてしまうということも。

中古車の場合、購入後におきた不具合は原因が特定しづらいため、事故歴や修理歴のある車、また水没車なども避けたほうが良いでしょう。

まとめ

いかがでしょうか。

燃費の良さや環境性能の高さ、走行時の心地よさなど、多くの魅力を持ったハイブリッドカー。そのシステムの特徴や、一概にコスパが良いとは言えないデメリット、バッテリーとオイルの交換から、中古車で購入する際の注意点などをまとめていきました。

これからも日々進化を続けるハイブリッドカーだからこそ、常に最新の情報を入手し、様々な視点からの考え方を持ったうえで、上手に車選びを楽しんでいきたいものです。